2013年6月25日火曜日

子宮頸がんワクチンについて

すでに各メディアで報道の通り、子宮頸がんワクチン接種の積極的勧奨は中止となっています。当院も現在は接種医療機関になっていますが、幸か不幸か接種者はいません。
実を言えば、接種が決まった一番初めの年には、接種機関に名乗りをあげませんでした。海外で接種時の痛みで失神する人がいると知ったので、様子見をしてました。その後思ったほどでもないようだったので、自分も始めた次第です。
今回の副作用問題は、直接の接種時の痛みと関係あるのか、まだはっきりしていません。なぜ全身に痛みが残るような病態になるのか、完全解明には時間がかかると思います。このワクチンの問題点は、効果があると言われていても、それを実感するのが、数十年後というところにあります。他の一部ウイルスに対するワクチンのような終生免疫が得られるのかも不明で、長期の効果が未だ確立されていないことも、ワクチン反対派の主張になります。おそらく数ヶ月後には「現時点で接種中止にする根拠なし」となるでしょうが、積極的勧奨の再開までには至らないと思います。
今回のようなワクチン接種に限らず、一つ一つの医療行為に関しては、受ける側も十分納得して受けることが大事です。行為を行う側も十分な説明が必要です。しかし今回は医療者側も「こんな副作用があるとは知らなかった」のが実情で、今も副作用で患っている方には、少しでも症状が緩和されることを願うばかりです。

2013年6月7日金曜日

アナログとデジタル

当院も遅ればせながら、4月にレントゲンをデジタルに変えました。今までは昔ながらのレントゲンフィルムを使っていましたが、今度はテレビモニターで写真を見ています。
アナログフィルムだと細かい撮影条件、患者さんの体格、現像機の性能などに画質が左右されてしまい、肝心なところが見えにくい場合があり、不満でした。変更の一番の理由は現像機の老朽化だったわけですが、実際の運用面での不満も解消したかったわけです。
さすがデジタルはよく見えます。もちろん撮影条件によりますが、アナログとは違う。フィルムの保管場所もいらず、メリットのほうが多いと実感しています。
音楽の世界では昔ながらのレコードをプレーヤーで聴くのも趣があって、アナログもいいなあと思われているようです。自分も昔のレコードはまだ一部持っていますが、音楽はCDや携帯プレーヤーでほとんど全て聴いてます。朝ドラの「あまちゃん」で80年代の歌謡曲なぞかかると、昔のレコードの時代を懐かしく思い出しますが。
音楽や芸術はアナログでもいいけど、医学の世界はデジタルでないと、という時代です。血圧計なんかはアナログのものも使っていますが、データの利用や保存を考えるとデジタル化は避けられません。もっとも実際の診療では、問診、視診、触診など人間が行うものは、当たり前ですがデジタル化できません。デジタルな世の中でもアナログ的な診療は必要で、機械的でない心のこもった診療を心がけたいと思っています。