2014年1月29日水曜日

その点滴必要ですか

インフルエンザとともにノロウイルス感染が続いています。浜松市の給食や病院での集団感染などノロウイルス感染の話題はなかなか尽きません。下痢や嘔吐で水分も摂れない場合には、点滴治療が必要です。特に小児と高齢者は脱水に弱いので、十分な補液が必要です。
一方で、いわゆるかぜでは必ずしも必要ないことが多いです。口から摂れれば十分です。他の病気もしかりで、栄養(水分)補給経路としては、第一に経口、第二に経腸で、消化管(腸管)が使えない場合に、静脈注射が選択となります。特に長期にわたり補充が必要な場合は、腸管を使うことは免疫学的にも有利とされています。
末梢(手、腕など)からの輸液は差し抜きの手間がありますが、管理は比較的容易です。カロリーとしては不足で、持続点滴する場合は移動の負担があります。中心静脈栄養は高カロリーで持続点滴中も移動負担がやや少なくなります。管理はやや煩雑となります。一長一短があり、ケースバイケースで選択することが多いです。
中心静脈の管理を容易にするため最近は皮下に穿刺用のポートを埋め込むケースが増えています。管理料などの算定に有利なので、ポートにしたら高カロリー輸液を入れるという場合が多く、本来高カロリーが必要ないケースでも使われていることがあります。
特にがん終末期で胸水、腹水が貯留している場合には、高カロリー輸液は胸腹水貯留を助長するので、もはや禁忌です。未だこういう治療をしている病院があることは残念です。
終末期では末梢輸液でも過剰な輸液は負担になります。昔勤務医時代にがん終末期の患者さんに500mlの輸液を末梢から行いましたが、輸液後に浮腫が出現しました。輸液が原因ではないものの程なく患者さんが亡くなられました。ご家族から、「輸液のスピードが最後は速かったからあんなにむくんでしまった。」と亡くなった後に責められた苦い記憶があります。
高齢者やがん終末期の人に点滴をする場合には、どのルートで何をどれだけ入れるのか、いつも頭を悩ませています。

2014年1月7日火曜日

あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いします。
普通の挨拶だけれど、病院勤務医時代は具合が悪くて外来に来たり、入院している人が多かったので、なかなか「おめでとうございます」とは言えませんでした。
年初早々松本地域は冷え込んで寒くなっています。体調に気をつけて下さい。インフルエンザの流行もこれからでしょうか。ワクチンの時期は過ぎつつありますが、手洗いなどで予防しましょう。
診療とは関係ないサッカーの話ですが、松本山雅に田中隼磨選手が移籍加入することになりました。名古屋退団後に来たらいいなと思っていたら実現。地元出身である以上に、J1や代表の経験は、現在のメンバーに足りないものを補ってくれるでしょう。今季は3バックから4バックへ移行、または併用となりそうで、新たな展開がみられるかもしれません。さらにサビア(FW)や大久保(DF)が戦力になれば、順位も上がりそうです。サポーターの皆さん、楽しみが増えましたね。