2013年3月25日月曜日

あらためて熱傷治療について

昔から暑さ寒さも彼岸までといいますが、今年は彼岸前から暖かくなりました。それでも松本は日中の寒暖の差が大きいので、朝晩は寒いです。
今冬は特に寒かったので、湯たんぽによる低温やけどの方が多かった気がします。認知度が上がったこともあるのでしょうが。小さな熱傷や、結果として深部に至っていない方は、早く治りますが、深部熱傷や大きい熱傷の方はなかなか治りません。少しずつは良くなるのですが、どうしても遅く感じられてしまいます。処置方法を変えたりすれば、スピードが変わる場合もあるのですが、適切な変更時期は未だによく分からないので、進みが遅いと判断した時点としか言いようがありません。
個々の患者さんについて、このブログで取り上げることはしてきませんでしたが、今回は1人について。他院で足の熱傷に対して軟膏とガーゼの治療を受けてきたが治りが悪く、植皮を勧められて当院受診(夏井先生のサイトによく載っているパターンです)。当院受診時には、すでに上皮化が始まっていました。プラスモイストに変えたところ約2週間で上皮化が進み、もうすぐ治りそうです。プライバシーの問題もあるのと、写真を撮っていなかったので、実際を供覧できないのですみません。こういう方もいるので今さらながら湿潤療法はすごいなとあらためて思います。

2013年3月12日火曜日

震災から2年

本来は昨日11日が震災から2年なのかもしれませんが、長野県では栄村を中心に12日に地震がありました。全国の多くの人にとっては、被害がより大きい東北や関東に目がいきがちですが、長野県北部から新潟県境の被害も深刻でした。
狭い地域なので、道路などの復旧は進んだようですが、人口の減少が止まらないとのこと。
栄村の復興(信毎web)    
 復旧から復興への道が大変なのは、東北と変わりありません。東北の山村と同様に高齢化が進んだ過疎地域をどう復興していくのか。今後ますます高齢化進行する日本では、都市部でもいずれ考えなくてはならない問題です。
この2年間、自分が被災地域のために何かやってきたかというと、直接的にはほとんど何もできていません。募金と東北産の海産物を買うことくらいでしょうか。目立った産業のない栄村などの地域には、本当に今は募金くらいしかできていません。行きたいけど行けないもどかしさを常に感じています。せめて決して忘れないようにしたい。そしてあの時何が起きて、どうすればよかったのかを知ること、経験を生かしていくことが、いつ被災者になってもおかしくない我々にとって大事だと思います。