2016年6月25日土曜日

専門性と専門医

6月になりだいぶ経ちました。長野県も梅雨入りしました。松本はまだ雨が少ない方ですが、それでもじめじめしたこの季節はあまり好きではありません。
先日来院した患者さんを診察していた時に、とある病院の整形外科に通院しているという話になりました。 腰と膝の疾患でかかっているのですが、それぞれ別の医師に診てもらうので、別々に予約を取るのだと聞きました。大学病院のように高度に専門分化したところはともかく、市中の一般病院でそこまでしているとはちょっとびっくり。噂では聞いていたもののすごいというか、よくやるというか。後期高齢者で一人で来院するものままならない患者さんを同じ整形外科内で回すとは・・と思いました。
私もたまに専門は何ですか?と聞かれます。大抵、元は消化器外科医でしたが、今は何でも診てますよと答えています。開業医で専門性にこだわってばかりいては仕事になりません。ましてや在宅医療や高齢者を診るのには、専門性よりも総合的な視点が必要だと考えています。
詳しくは知りませんが、専門医制度が変わるらしいです。専門医を否定するつもりはありません。未熟な外科医が下手な手術で患者さんを傷つけていた某大学病院のような事例を見れば、質の高い専門医制度がむしろ必要とさえ思っています。
時と場合によります。手術をする予定のない高齢者の患者さんを専門性を理由に診察しないのは、患者さんにとって不利益のほうが利益を上回っているように思うのですが。診療科が違うわけでなく、同じ整形外科医が膝や腰を診察できないわけはないでしょうに。実際それぞれの医師がどんな診療をしているかを見れば、特に専門性を必要とするようなことはしていないはずです。専門性をもっとうまく使ってもらいたいと思います。
(追加)先月乳腺のしこりで相談された方がいましたが、メールが受診拒否設定にされているようで、 返信できませんでした。改めてお送りいただくかなにか対応して下さい。