2011年8月24日水曜日

新薬について

先週新聞に新薬ダビガトラン(商品名プラザキサ)投与による死亡例が出たと載っていました。この薬は抗血栓薬として、ワーファリンに代わる薬として発売されました。ワーファリンは納豆などの食事制限があったり、頻回な血液検査が必要だったりと、面倒なところがあったので、それらが不要で効果も高いダビガトランに期待が集まっていたわけです。
死亡例は、高齢者や腎機能が悪い人に通常用量を投与したといった問題があったようです。
ダビガトランには、ワーファリンに対するビタミンKのような、作用を阻害する薬がないので、出血すると止めようがなく、大事に至る危険があります。食事制限不要というのは、いわば諸刃の剣だったわけです。
新薬発売直後は、こういう問題が出やすい気がします。期待の薬ということで、使い慣れない医者もすぐに飛びついて処方するからではないかと思います。時間が経てばこういう問題は減っていくと思いますが、まだ未知の副作用があるかもしれません。
折しもテレビ番組などで、心房細動と脳梗塞(心房細動でできた血栓が脳血管につまる脳塞栓)の問題が相次いで取り上げられています。期待の新薬としてダビガトランの話題も出ています。薬の様子が分かるまでは、よく適応を見極めて慎重に使うべき薬だと思います。




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