2013年11月15日金曜日

中学校の部活動について

症例呈示はしばし待っていただき、中学校の部活動についての意見を。
今長野県教育委員会では、中学校の部活動の見直しを進めていて、朝の部活動(朝練)を廃止する方向になっています。全国的に朝練をしている自治体は減少傾向のようです。
新聞記事を見る限りではですが、廃止を提言した会合の意見として「中学生の睡眠時間の減少と授業中の眠気など」が一つの理由として挙げられ、「中学生の心身の健全な発育のため」とありました。
中高と部活動(サッカー)で朝練をしてきた人間としては、この提言は納得できるものではありません。スポーツでの古くさい根性論には常々否定的であり、今回も決して「心身を鍛えるために必要」とは思っていません。挙げられた理由としての睡眠時間の減少は、多くは子供の単に夜更かし(インターネットやゲーム)に起因している可能性があること、また夜間に塾通いをしている可能性などもあるからです。朝練とは関係ない所での評価をどの程度行い、こういう結論を出したのか。むしろこれらの問題解決に教育委員会は力を入れるべきではないのか。
朝練がなくなれば遅くまで寝ていてもよいので、かえって夜更かしをする可能性もあるのが、中学生でしょう。このような提言、方針を出すからには、責任者は数年後にしっかりと評価をすべきと思います。

2013年11月11日月曜日

自験例

医学の世界で学会発表などの際には、自験例といって経験症例を呈示します。入力時に一回で漢字に変換できなかったということは一般的ではないのでしょうか。
いつも湿潤療法のことを書き、「新しい創傷治療」にも載っていますが、なかなか症例写真を見せられません。まず絶対数が少ないこともありますが、よくなってくると途中で来なくなるので、最後まで経過が追えない。遠方の患者さんも多いので、頻繁に来られない。個人情報のこともあるので、こちらも積極的に写真を撮っていないなどの理由があります。
そこで予告ですが、現在まさに自験例として、自分の身体で湿潤療法中なので、近日写真を載せたいと思っています。あまりきれいな写真ではないのですが、参考にしていただきたいと思います。
急に寒くなりました。インフルエンザワクチンの予防接種が始まっています。ご希望のかたはどうぞ。

2013年10月16日水曜日

往診料のこと

昼間の訪問診療の帰りに車内で考えたこと。往診料は普通に来院したときよりも診察料が高いんだよなーと。ついでに以下のようなことも考えてました。
先日厚生局の保険指導を受けました。在宅医療の内容がきちんとされているか点検を受けました。一応合格だったのかなと思います。最近在宅医療に関して不正請求をしていた医療機関があったとニュースになっていました。全体に在宅医療にかかる保険点数は高いので、そういうことを考える輩がいるのです。
在宅医療を進めたいから、その報酬として点数を高く設定しているわけで、本気でやらずに点数だけ稼ごうというのは、まさに詐欺行為。まじめにやっている身としては許せないことです。
私は個人医院でも質の高い、満足してもらえるような在宅診療をしようと思っているので、少し高い報酬は自分にプレッシャーをかけるものになっています。それだけのプライドを持って行なっています。勿論仮に保険点数が下がったからと言って、在宅医療をやめる訳ではありません。在宅療養支援診療所の認定条件に、点数下げても続けますか?という項目でも入れたらいいんではないかなと。考えていたら昼休みが終わりました。

2013年9月26日木曜日

薬のネット販売

前回「8月も終わり〜」と書いてました。もう9月も終わりです。
ブログ約1ヶ月更新していませんでした。
松本市の特定健診、高齢者健診も9月いっぱいです。受診希望の方はお早めに。
薬のネット販売が解禁になります。
最高裁までもつれた裁判で、解禁が認められて、正式に販売が始まります(ました)。Amazonが販売に乗り出すということで、また話題になりました。第1類(リスクの高い医薬品)はまだのようですが、第2類(中程度リスク)、第3類(低リスク)は販売されます。かぜ薬や解熱鎮痛剤などが第2類に含まれるようですが、ルルやパブロンなどはドラッグストアなどで自由に買えていたので、実際にはあまり変化ないように思えます。しかしここで大事なことは、そこに薬剤師がいるかどうかです。薬剤師が話を聞き、薬の説明をして渡すか否か。
厚労省はネット販売に規制をかけたくて、実店舗の有無をネット販売の条件にしようとしています。業界(製薬、薬剤師、医師も?)の圧力があるのでしょうか。建前は副作用が起きた場合の対応が問題だから、全面解禁にしたくないとしています。説明不足や誤用による副作用は問題ですが、正しく服用しても副作用はあり得ます。どこで処方しても。
長期的にみれば、ネット販売の流れは進むでしょうし、経済的にも医療費の削減につながるかもしれません。 いいことづくしではないものの、そんなに悪いものだとは思いません。ある程度のルール(少し緩め)の下で解禁するのは、患者側の利益が大きいように思いますがどうでしょうか。

2013年8月30日金曜日

胃がん検診について

8月ももう終わりになりました。
松本は日中はまだ暑いものの、朝晩はだいぶ涼しくなりました。特定健診、高齢者健診は来月(9月)いっぱいとなっております。
健診ならぬ検診について。胃がんに関しては、従来通り「公費検診はX線撮影」(いわゆるバリウム)となりそうだ、ということです。朝日新聞のデジタル版では載っていたようですが、他のメディアの後追い記事がないので、確定かは分かりません。
公費での検診の場合、その有効性と経済性が評価となります。バリウムは内視鏡(胃カメラ)に比べれば安価で、1日の検査件数も多くできるので、経済的には有利です。有効性の評価というのは難しくて、何を指標にするかで変わるからです。胃がんの発見率か、生存率または死亡率なのか。経済性も絡めれば、治療にかかる費用の差についても評価する必要があります。
今回厚生労働省が現在のまま維持としたからには、それなりの根拠を出すでしょうが、現場での意識とはかなり乖離しています。つまり多くの医師は「バリウムよりカメラ」と思っているからです。内視鏡の対象者をABC検診(以前のブログ等見て下さい)で絞って、検診を行えば、経済性と有効性のバランスがとれると、現場の医師は考えています。
せめて自治体単位だけでも、そうなるように期待しています。

2013年8月2日金曜日

盆休みのお知らせ と一言

8月になりました。戻り梅雨も去り、暑い日が続いています。
旧盆の休日は今年も13日(火)から16日(金)までとなります。ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします。緊急連絡先をご存じの方(通院、在宅、施設の患者さんなど)は、そちらへお問い合わせ下さい。これを読んでいる方で受診希望の方がいましたら、メールフォームからまずはお問い合わせ下さい。

追加の一言は人権について。ちょっと前に人権に関する国際会議で日本の代表がShut up!と叫び、公的な場にふさわしくない発言として取り上げられました。その発言以前に、日本は人権保護に関して先進国ではないと言われたことが、きっかけだったようです。反論中に失笑が漏れて、怒ってShut upと言った経緯です。いわゆる後進国よりも基本的人権は尊重されてはいるものの、先進国と言えるのか。犯罪容疑者に対する尋問、被害者に対する取材態勢など国内問題に加えて、難民認定率の低さ、従軍慰安婦に関する諸問題など国際的な課題も多くあります。そこに加えて先のワイマール憲法とナチスについての発言。ナチスについてはとてもsensitiveな話題で、欧米諸国やユダヤ人にとって軽々しく扱える問題ではありません。虐殺被害者だけでなく、ナチスを容認してしまった人達にとっても心苦しい問題を、話題にするには慎重な配慮が必要です。日本の政治の実質No.2の発言は、日本の人権感覚をまた疑われる結果となってしまいました。

2013年7月9日火曜日

健診は何のために

ほぼ恒例となった松本市の特定健診が始まりました。9月30日までです。
ちょっと前に患者さんと話していて、今年は人間ドックを受けるが、某施設では半年先の予約しか入らなかったと、聞きました。どこの施設(病院)も人間ドックはやりたいので、営業活動が盛んです。企業と契約すれば、ある程度の人数が確保できて収入もあがるし、一般診療と違って自由に値段も決められる。言い方は悪いけどおいしい商売です。だからどこも必死に企業勧誘するので、個人ではなかなか予約が取れないのでしょう。
ドックの受診者が増えれば、当然異常が見つかる人も増える。「要治療」までいかなくても再度精密検査で受診してもらえば、外来患者が増えるメリットもあります。もちろん、純粋に健康診断が第一の目的でしょうが。
今年の特定健診から検査の正常値が一部変更になっています。健診全体の検査正常値(基準値)は下がる傾向です。要は「異常値に近い」人を早めにピックアップして、「生活指導」を行うことで治療にかかる前に治そうということです。実際そういう指導をしている所も多いでしょうが、一方では「基準値が下がる」→「異常値の人が増える」→「病気」と短絡的に診断して、「高脂血症」「肝機能障害」「腎機能障害」などの「患者」が増えていく可能性も十分にあります。「生活指導」よりも「薬」飲む方が楽と考える人もいるでしょうし、医療者側も患者が増えるわけなので、「ちょっとおいしい」。これでは医療費を逆に増やす方向につながるんじゃないかと考えてしまいます。発想が「近藤誠」的で嫌だけど、実際に厚労省が考えるような「正しい」方向に向かっているのか分かりません。
 以前も書きましたが、当院ではあくまでも「生活指導第一」で考えています。 もちろん合併症の多い方には薬の治療を勧めることもあります。
また一方では、健診で「要治療」や「要精密検査」になっても、翌年そのまま受診する人もいます。1年前と何にも変わってないか、悪くなっているのに。果たして健診する意味があるのでしょうか? 誰のため、何のための健診か、しっかり考えてほしいと思います。