2013年8月30日金曜日

胃がん検診について

8月ももう終わりになりました。
松本は日中はまだ暑いものの、朝晩はだいぶ涼しくなりました。特定健診、高齢者健診は来月(9月)いっぱいとなっております。
健診ならぬ検診について。胃がんに関しては、従来通り「公費検診はX線撮影」(いわゆるバリウム)となりそうだ、ということです。朝日新聞のデジタル版では載っていたようですが、他のメディアの後追い記事がないので、確定かは分かりません。
公費での検診の場合、その有効性と経済性が評価となります。バリウムは内視鏡(胃カメラ)に比べれば安価で、1日の検査件数も多くできるので、経済的には有利です。有効性の評価というのは難しくて、何を指標にするかで変わるからです。胃がんの発見率か、生存率または死亡率なのか。経済性も絡めれば、治療にかかる費用の差についても評価する必要があります。
今回厚生労働省が現在のまま維持としたからには、それなりの根拠を出すでしょうが、現場での意識とはかなり乖離しています。つまり多くの医師は「バリウムよりカメラ」と思っているからです。内視鏡の対象者をABC検診(以前のブログ等見て下さい)で絞って、検診を行えば、経済性と有効性のバランスがとれると、現場の医師は考えています。
せめて自治体単位だけでも、そうなるように期待しています。

2013年8月2日金曜日

盆休みのお知らせ と一言

8月になりました。戻り梅雨も去り、暑い日が続いています。
旧盆の休日は今年も13日(火)から16日(金)までとなります。ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします。緊急連絡先をご存じの方(通院、在宅、施設の患者さんなど)は、そちらへお問い合わせ下さい。これを読んでいる方で受診希望の方がいましたら、メールフォームからまずはお問い合わせ下さい。

追加の一言は人権について。ちょっと前に人権に関する国際会議で日本の代表がShut up!と叫び、公的な場にふさわしくない発言として取り上げられました。その発言以前に、日本は人権保護に関して先進国ではないと言われたことが、きっかけだったようです。反論中に失笑が漏れて、怒ってShut upと言った経緯です。いわゆる後進国よりも基本的人権は尊重されてはいるものの、先進国と言えるのか。犯罪容疑者に対する尋問、被害者に対する取材態勢など国内問題に加えて、難民認定率の低さ、従軍慰安婦に関する諸問題など国際的な課題も多くあります。そこに加えて先のワイマール憲法とナチスについての発言。ナチスについてはとてもsensitiveな話題で、欧米諸国やユダヤ人にとって軽々しく扱える問題ではありません。虐殺被害者だけでなく、ナチスを容認してしまった人達にとっても心苦しい問題を、話題にするには慎重な配慮が必要です。日本の政治の実質No.2の発言は、日本の人権感覚をまた疑われる結果となってしまいました。